3. 小冊子を読む

読む: マリファナとは?

マリファナとは?

マリファナは世界で最も乱用されている薬物のひとつです。 マリファナに関する最新の科学と、その通説との間には著しい隔たりがあります。 人々は、場所によっては合法なのだから、それが安全であるに違いないと思います。 しかし、あなたの身体は合法薬物と違法薬物を識別しません。 実際に薬物を取るまでは、それがもたらす作用を知ることはできません。 この小冊子の目的は、マリファナについての誤解をいくつか解くことです。

マリファナはインド大麻という植物からつくられます。「薬物」成分は、主に花(「つぼみ」と呼ばれる)に見られ、種子や葉、植物の茎にも含まれています。

マリファナは、乾燥した麻の葉や茎、花や種子の混合物として販売されます。 その色は通常、緑色か、茶色か、灰色です。

ハシッシュは、黄褐色や茶色や黒い樹脂を乾燥させたもので、棒状か球状に固められます。 マリファナやハシッシュを喫煙する時、特有の甘いにおいが発せられます。

マリファナやハシッシュには、400以上の化学物質が含まれています。1 使用者を中毒や「ハイ」な状態にさせる化学物質は、THC (テトラヒドロカンナビノール[tetrahydrocannabinol]の短縮形) と呼ばれています。 THCは、マリファナが「薬物」に分類される基となる成分で、心に悪影響を及ぼします。

植物は、動物のように、自然の中で自らを守る特質があります。 植物は、その捕食者(動物など)を欺くための色や模様をしていたり、食べられた時にその捕食者を病気にしたり、自然の中で危険にさらされるよう、捕食者の心的機能を歪める毒物が含まれていたりします。 THC は、大麻にとっての防御メカニズムなのです。

中毒とは、「毒性物質を体内に取り入れることによって機能障害を起こすこと」です。 どんな毒性物質も身体と心の中に変化を引き起こします。 それは薬物中毒や依存を引き起こすことがあり、害があるとは知っていても、薬物を取りたい気持ちにさせます。

マリファナは植物であり自然なものなので、無害だと耳にしたことがあるかもしれません。 しかし、そうではありません。 毒ニンジンという有毒な植物も「自然」ですが、人を殺すことがあります。

乾燥させた葉とつぼみを燃やし、あなたの肺の中にその煙を吸い込むことは間違いなく「自然」ではなく、あなたの身体にとって有害になることも知るべきです。

マリファナには、CBD(cannabidiol、カンナビノールの略称)と呼ばれる化学物質も含まれており、それは医療に用いられます。 これは、多くの場合、その物質が医療効果を生み出すことに関連します。 THCと異なり、CBDはハイな気分を誘発しません。2 医療目的で高いCBDと低いTHCマリファナを栽培する手段と、その医療効果のほどについてはいまだ研究中です。

マリファナは、アルコール、コカイン、エクスタシーと同様に薬物です。 そして、これら他の薬物と同様、それには有害な副作用があるのです。

どのように使用されているか?

マリファナは乾燥させた麻の葉、茎、花や種子を混合したものです。 その色は通常、緑色か、茶色か、灰色です。
マリファナは乾燥させた麻の葉、茎、花や種子を混合したものです。 その色は通常、緑色か、茶色か、灰色です。
ハシッシュは、黄褐色や茶色や黒い樹脂を乾燥させたもので、棒状か球状に固められます。 マリファナやハシッシュを喫煙する時、特有の甘いにおいが発せられます。
ハシッシュは、黄褐色や茶色や黒い樹脂を乾燥させたもので、棒状か球状に固められます。 マリファナやハシッシュを喫煙する時、特有の甘いにおいが発せられます。

マリファナは、紙巻タバコ(ジョイント)として喫煙したり、パイプや「ボング」として知られる水パイプで吸引することもできます。 また食べ物に混ぜたり、お茶として飲用されることもあります。 これらは「食用(edibles)」と呼ばれ、この小冊子の後ろに詳しく述べられています。 時には、葉巻を開いて、タバコを取り除き、マリファナと取り換えて使用されることもあります。これは「ブラント」と呼ばれます。 ジョイントやブラントは、クラック・コカインやPCP(麻酔薬の一種、強力な幻覚剤)などの一層強力な薬物とともに用いられることもあります。

ジョイントの煙を吸うと、通常、数分でその作用が感じられます。 すぐに感じられるのは、心拍数の増加、身体の調整機能やバランスの低下、「夢のような」非現実的な心理状態などで、30分以内にそのピークを迎えます。 3 こういった即効性の作用は通常2~3時間で消えますが、摂取する量やTHCの強さ、混合される薬物によっては、それよりも長く続く場合もあります。

ジョイントの典型的な常用者は、タバコを喫煙する場合よりも多くの煙を吸引し、長くため込むので、肺に深刻な影響を受けます。 喉の痛みや咳などを伴う不快感だけでなく、1本のジョイントはタバコ5本分の発ガン性物質をつくり出すことがわかっています。4

マリファナの使用による精神的な影響も等しく深刻です。 マリファナを吸う人は、吸わない人に比べて、記憶力や判断力が低下します。5

マリファナを吸っている若者たちに関する最近の研究によると、感情、動機、そして決断に関する脳の働きに異常が発見されました。6