国連薬物・犯罪事務局によれば、全世界でメタンフェタミンを含むアンフェタミン型の中枢神経刺激剤の生産量は年間500トン近くに上り、こうした薬物の乱用者は2470万人いると推計されています。
警察庁の調べによると、日本における2007年の覚せい剤の押収量は340.1kgで、検挙者数は16,929人となっています。2006年の調査によると、日本国内で薬物中毒の治療のために入院した人の49%が覚せい剤常用者でした。
また、薬物別の検挙者数を見ると、2005年の薬物総検挙者数15,803人のうち、覚せい剤絡みの検挙者数は13,346人と圧倒的な割合を占めており(約8割)、中でも来日外国人による覚せい剤事犯の増加が目立っています。
アメリカ合衆国で薬物中毒の治療のために入院した人のうち、覚せい剤を始めとする中枢神経刺激剤を乱用していた人々が占める割合は、1996年の3%から、2006年には9%と3倍になりました。州によってはこの数値はさらに高くなっており、たとえばハワイでは、2007年に薬物中毒やアルコール依存症の治療を求めた人々のうち、48.2%が覚せい剤の使用者でした。
覚せい剤はチェコ共和国でも広範囲に乱用されています。ここでは覚せい剤はパービティンと呼ばれており、小規模な密造所や、それよりも規模の大きい密造所で製造されています。パービティンは主にチェコ国内で消費されていますが、ヨーロッパのその他の地域やカナダなどにも輸出されています。チェコ共和国、スウェーデン、フィンランド、スロバキア、ラトビアでは、薬物中毒の治療を求める人々のうち、覚せい剤などの中枢神経刺激剤の常用者が20%から60%を占めると報告されています。
東南アジアで最も一般的に使用されている覚せい剤の形状は小さな錠剤で、タイではヤーバー、フィリピンではシャブと呼ばれています。